平成26年6月策定
平成26年7月施行
平成30年3月改訂
令和 元年6月改訂
1 はじめに
(1) いじめの定義(平成25年6月;いじめ防止対策推進法より)
児童生徒に対して,当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって,当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものと定義する。
(2) いじめに対する基本的な考え方
いじめ問題に迅速かつ組織的に対応するために,いじめに対する認識を全職員で共有する。そして,いじめは,どの学校・どの学級でも起こりうる深刻な人権侵害であるという基本認識に立ち,すべての児童生徒が互いに認め合い,支え合い,高め会う人間関係を築くことができるように,いじめの未然防止・早期発見・早期対応に取り組む。
2 重大事態(町教委の指導・支援のもとで対応)
(1) いじめによる重大事態とは
・ 当該児童の生命,心身又は財産に重大な被害が生じた疑いが認められたとき
・ 当該児童が相当の期間(年間30日を目安)学校を欠席することを余儀なくされているとき
・ 保護者から,いじめられて重大事態に至ったという申し立てがあったとき
重大と判断される具体例
① 自殺を図った場合 ② 身体に重大な傷害を負った場合
③ 金品等に重大な被害を被った場合 ④ 精神性の疾患を発症した場合
⑤ いじめを原因として,30日間を目安として,連続して欠席をしている場合
(2) 外部機関との連携
犯罪行為として取り扱われるべきと思われる場合は,地教委の指示のもと,宮城県警察(遠田警察署)・北部教育事務所・児童相談所との連携を図りながら,事態の収束まで具体的な対応を行う。
(3) 適切な情報提供
被害児童・保護者に対し,調査した事実関係についての情報を,適切に提供する。その際は,地教委の指導の下,プライバシー等に十分配慮して,情報を提供するようにする。
3 いじめの未然防止のための取組
(1) 教職員による実践
※ゆとりをもち,児童と向き合える時間の創出に努める。
※常に危機管理意識をもち,他の事例を参考に研鑽を深める。
・ 日常的な情報交換と児童の多面的な理解
・ 校内研修の確立
・ いじめを許さない体制の確立と児童・保護者への周知
・ いじめのサインの共通理解,Q-U,学級集団の分析
・ 日常的な「わかる授業」の実践
・ 学級経営を中心とした児童の場づくり,居場所づくり,絆づくり
・ 特別の教科道徳の時間を中心とする全教育活動における指導
・ 社会体験や体験活動の推進と充実(志教育との関連)
・ 異学年(たてわり活動),異世代との交流の推進
・ 読書活動の推進
・ インターネットによるいじめ防止のための情報モラル教育の充実 他
(2) 児童に身に付けさせたい力
・ 自尊感情と自己有用感
・ 規律を守った学校生活
・ 他者との違いを正しく認識できる力
・ 他者のよいところを理解し,認め合える力
・ 相手の気持ちを共感的に理解できる力
・ 折り合いを付けられる人間関係力
・ 忍耐力,粘り強さ
4 いじめの早期発見の取組 (いじめ見逃し「0」への取組)
(1) 日常の観察と職員間での情報共有
(2) いじめと悩みに係るアンケート調査の実施
毎月の学校生活アンケートを生徒指導部が実施 → 町教育委員会へ定期報告
(アンケートは卒業まで保存 聴取結果は5年間保存)
(3) 生徒指導全体会,職員会議,打合せでの報告・情報交換の場の活用
報告・情報共有の徹底を図る(いじめ防止対策推進法の遵守)
(4) 教育相談体制の充実
・ 担任・養護教諭・教科担任などによる組織的対応
・ スクールカウンセラーの活用
(5) 特別支援教育コーディネーターとの連携
児童の実態把握と適切な支援による個別の対応体制
(6) 家庭との連携
保護者全体から協力を得て,いじめの発見,解決,事後の見守りをより円滑に進める
家庭でのいじめ被害のサイン
□登校しぶり □転校の希望 □外出の回避 □感情の起伏の顕著化
□教師や友だちへの批判増加 □隠し事の発覚 □家庭でのお金の紛失
□荒くなる金遣い □衣服の不必要な汚れ □体の傷やいたずらの痕跡
□保護者来校の拒絶 □過度なネットへの対応 他
(7) 地域との連携
地域で見られるいじめ被害のサイン
□登下校中に特定児童が,他の児童の荷物等を過度に持つ。
□一人だけ離れて登下校している。 □故意に遅れて登校している。
□地域の公園や道路,空き地に一人でぽつんとしている。
□公園や空き地等で,一人の子が何人かで取り囲まれ,言い合ったり,こづかれたりしている。
□コンビニ等でおごらされたりしている。
(8)その他
学校評価の項目に学校におけるいじめ防止等のための取組状況(アンケート,個人面談,校内研修等の実施状況等)を位置付け,検証を行う。
毎月のいじめ認知件数が「0」の場合は,学校だよりで児童と保護者に知らせ 検証する。(その検証結果について翌月に教育委員会へ報告する。)
5 いじめ未然防止・早期発見のための組織
(1) いじめ対策会議)
<校内委員> 校長,教頭,教務主任,養護教諭,生徒指導主任,生徒指導部員
<校外委員> PTA会長,副会長,民生児童委員,主任児童委員,地区会長 青少年教育相談員
* 事案により,行政区長,遠田警察署 他
(2) 具体的な取組
・ いじめ防止基本方針の策定,修正
・ いじめに係る情報収集
・ 未然・再発防止策の策定 他
6 いじめに対する具体的な措置
※「いじめは絶対に許されないもの」という認識にたつ。
※「早期かつ即時対応」と「組織的対応」の認識にたつ。
※「いじめられている子どもの側にたつ」ことを大前提にして判断する。
※「小さな芽を小さいうちに摘む」ことを重視する。
(1) 基本的な考え方
① 「軽く見る」ことは避ける。
単なる悪ふざけ,よくあること,あとで……,喧嘩両成敗 他
② 一人で抱え込むことのないように,協働意識で事にあたる。
③ 客観的事実の記録を丁寧に累積する。
(2) 具体的な対応の流れ
① 発見
日常の観察,現場目撃,アンケート,教育相談,本人や保護者からの訴え
② 概要把握と速やかな報告
情報を得た職員→担任(学年主任)→教頭・教務→校長
※重大事態の場合は,町教委へ報告し,指導を受ける。
③ 事実確認と的確な報告
○ 事前に確認しておくこと
・ 教職員への聞き取り
・ 現場に居合わせた児童の確定
・ これまでの問題行動
・ 被害児童と加害児童の家庭環境や日常の言動 他
・ 事実確認のための役割分担
○ 事実確認
いじめの状況(日時・場所・人数・様態 等)
・ 被害児童,加害児童,周辺児童それぞれへの聞き取り
〇 該当児童保護者への連絡
※確認結果を的確に,生徒指導主任,教頭・校長に報告する。
④ 方針対応策決定
<重大事態以外のいじめの場合>
管理職からの指導,教務・生徒指導主任からの助言を受けて,指導支援を行う。
<重大事態のいじめの場合>
・ 事実の確認ができた段階で,町教委に報告し,指導を受ける。
・ 緊急対策会議(生徒指導委員会)を実施し,方針対応策を策定し,町教委より指導・助言をも
らう。
・ 緊急対策会議(全職員対象)を開き,情報共有と共通理解,及び関係職員への対応,協力を
依頼する。
⑤ 指導・支援・対応体制
・ 被害児童への対応班 担任・養護教諭・SC・SSW
・ 加害児童への対応班 担任・生徒指導主任・SC・SSW
・ 周辺児童への対応班 教頭・教務
・ 該当児童保護者への対応班 教頭・教務・担任
全職員で分担し,全部の班でいじめの解消を確認するまで対応を継続する。
⑥ 対応と情報共有
⑦ 解消経過観察
〇担任及び職員は,日常の観察を重ね,定期的に報告を欠かさずに行う。
〇3ヶ月間再発なしを全職員で確認し,本人,保護者からも聞き取り確認を行い,最終的に学校長の判断
で解消とする。
いじめ解消の要件
①いじめに係わる行為が止んでいること
②被害者が心身の苦痛を感じていないこと
(3)特に配慮が必要な児童への対応
〇障害のある児童
教職員は児童の障害の特性への理解を深め,個別の教育支援計画や個別の指導計画を活用して情報共有を
行いつつ,該当児童のニーズや特性を踏まえた適切な指導及び支援を行う。
〇帰国子女,外国人の児童,国際結婚の保護者を持つ等外国とつながる児童
言語や文化等の差に留意して,それらの違いを教職員,児童,保護者等に理解を促進し,学校全体で注意
深く見守り支援を行う。
〇性同一性障害,性的指向・性自認に係る児童
性同一性障害や性的指向・性自認について教職員への正しい理解を促し,学校として必要な対応をする。
〇東日本大震災による被災した児童,原子力発電所事故により避難している児童
被災や避難した児童が受けた心身への多大な影響や慣れない環境への不安感等を教職員が十分理解し,該
当児童に対する心のケアを適切に行い,細心の注意を払って見守る。